「死ぬのが怖い」
18歳の頃、私はこの考えに囚われていました。
そんな時に出会ったのがこの本で、この本に書かれている考えを日々の生活で意識していくことで、自然と「死ぬのが怖い」と言う考えに囚われることは無くなっていました。
あなたも
「気にしたくないのに気にしてしまう、むしろそう思うと余計気になってしまう」
と言う経験を一度はしたことがあるのではないでしょうか。
- 緊張しないようにと思うごとに緊張してしまう
- 寝ようと思うほどに目が冴えてきてしまう
- LINEの返信がこないのを気にしないようとすればするほど気になってしまう
など、人間は気にしないと思うほど気にしてしまう生き物なのです。
アメリカで行われた実験でもこのことは証明されており、「このことを考えてください」と言われるよりも、「このことを考えないでください」と言われた時の方が考えてしまうというデータがあります。
そこでこの本では、そのような囚われるの心理は誰でもあるものであり、受け入れて次の行動を起こすべきである「あるがまま」と言うスタンスを提案しています。
以下、本の紹介と私の感じたことや実例を紹介します。
気にしないようにするほど気になる
「緊張しないようにしなきゃ」
と思えば思うほどに手足が震え緊張してしまう。
そのような事を「精神交互作用」と言います。
本書ではこのように紹介されています。
つまり、「精神交互作用」とは、自分にとって不都合な心身の弱点を取り除こうと努力をすればするほど、逆にそこに注意が集中し、結果としては自分に不都合な症状(神経症の症状)を引き出してしまうことをいうのである。
via:森田療法
そして本書では、「緊張することは自然であり取り除こうとする必要はない」と「あるがまま」を受け入れることを説いています。
そうすることで、必要以上に気にする必要がなくなるのです。
例えば、歌舞伎役者の中村勘三郎氏は何年経っても初日の舞台では足がガタガタに震えていたそうです。
有名な役者の方でもこのようになるのですから、一般人の私たちが緊張して手足が震えるのはむしろ当たり前のことなのです。
問題は、それを必要以上に気にするかしないかなのです。
受け入れて行動する
まずは気にしてしまう事を「あるがまま」受け入れる。
そして次に目的のために行動するのです。
以上のように、神経質(症)者は、治療を志したならば、まず自分が精神交互作用の悪循環に振り回されていることを自覚し、この状況を現実行動を通じて打破していくように努めるべきである。
via:森田療法
先ほどの例を挙げると、公演などの前に緊張して手足が震えるのを気にしすぎる事でさらに悪化しているということを受け入れ、緊張して手足が震えてもいいんだと認識し、緊張しながらもしっかりと公演をするということになります。
つまり、不安な状態を「不安なのは悪いことではない」と受け入れ、その上で目的を達成しようと行動することが大事なのです。
まとめ
人間は誰しも「精神相互作用」という「気にしすぎると余計に気になってしまう」というメカニズムが備わっています。
問題なのはそれにどう対処するのかということです。ずっと気にしすぎてしまうのか、それとも受け入れるのか。
本書ではその向き合い方に関してこう書いてあります。
ここで我々がよく認識しなければならないのは、我々の社会生活には「精神相互作用」のメカニズムが随所に存在しているということである。それを認めた上で、なおかつ自分のもてる、よきか、それとも逆にそうした事実を認めようとせず、無駄な努力を重ね、結果としては反対に逃避をしてしまうのか、それは各人の人間的な選択にかかっている。
via:森田療法
最後は結局、現状の「気にしすぎてしまう」という状態を受け入れる努力を続けるのか、それともやっぱり無理と諦めてしまうのかです。
逆に言えば、著者は少しづつ手も受け入れる努力をすれば、「気にしすぎてしまう」性格は変わると言っています。
私も、未だに「死ぬのが怖い」や、「〜だったらどうしよう」と思うことはありますが、この本のおかげで「気にしすぎてしまう」ということはなくなりました。