こんにちは、外資系戦略コンサルタントのYuです。
この連載では、もし自分が大学生に戻ったなら、こんなステップでこういったポイントを抑えて就活準備をするだろうな、といったことをお伝えしたいと思います。
私が就活生だった頃はあれやこれやと色々な手法で自己分析したりしたものですが、今思えば無駄が多かったなと思います。
結局役立った準備は一部で、そこさえ抑えておけば後は肉付けにしかならないかと。
もし就活生のあなたが色々な自己分析方法等、就活の準備で手応えを感じていなかったら、この記事でポイントを抑えてサクッと就活の準備を終えてしまいましょう。
目次
就活準備の3ステップ
先ず、就活の準備は下図の3ステップに分けます。

この3ステップのうち、肝心なのは1.自己分析と2.仕事分析。
この2つを深めれば、面接では1.自己分析と2.仕事分析で分析した「その仕事が自分に合う理由」を、面接で本音で語れば大丈夫です。
逆に、1.自己分析と2.仕事分析を疎かにすると、結局自分は何の仕事に向いているかわからず、なんとなくこの仕事に向いてそう、といった理解度で就活に臨むことになります。
そうすると、面接で出される多種多様な質問に対応できず、どこかで嘘をついたり浅い回答になり、それが数珠つなぎのようになって言っていることが破綻します。
また破綻せずともかなり浅い回答になってしまうため、面接を通過できる可能性はかなり低くなってしまうかと。
そうならぬには、結局1.自己分析と2.仕事分析をしっかりして、嘘偽りなく自分に合う仕事を探すのが大事と思います(自分に会う仕事が見つかれば、その方が幸せですしね)
準備ステップ1:自己分析
自己分析と仕事分析をし自分に合う仕事を見つけることが大切と分かったところで、先ずは自己分析について解説します。

自己分析する上で個人的に強力と思うフレームワーク・ツールは、現在私がコンサルタントとして仕事でも頻繁に活用している下記です。
- やる気(Will)-能力(Skill)分析
- 5-Whys(なぜなぜ思考)
この2つを使って自己分析をすれば効率的に自分というものが見えてくるはず。
余談ですが、世の中には他にも自己分析のツールとして
- ストレングスファインダー
- エニアグラム
- xx診断(就活サイトが出しているような診断)
などがありますが、私が今就活生に戻ったとしたらこれらは使わないと思います。
というのも、上記診断は観点が多く、それら一つ一つを仕事に結びつけて、総合的にこの仕事が良い、と判断するのが難しいからです。
また、基本的に上記診断では一般的なレベルでしか自分を知れないため、面接で活かすには深みが足りず、自分のエピソードと結びつけるまでには更なる深掘りが必要になります。
このような事情により、基本的に私は上記ツールは使わず、使ったとしても自己分析を始めて一番最初に大まかに自分の性格(タイプ)を知るのに使うと思います。
話が逸れましたが、ここからは私が自己分析に使うと申し上げた下記のフレームワーク・ツールについて説明します。
- やりたいこと(Will)-できること(Skill)分析
- 5-Whys(なぜなぜ思考)
やる気(Will)-能力(Skill)分析 -自分の武器を見つける-
先ず自己分析の始めの一歩として、自分がやる気の出ること≒やりたいこと(Will)と、能力のあること≒できること(Skill)を棚卸します。
なぜこの2つの観点なのか?
それは自分のやりたいことと、会社があなたに求めることを効率良くマッチングさせられるからです。
自分がやりたくても会社があなたにそれを求めていなければ不採用になってしまうので、自分がやりたくて、かつ会社もあなたに求めているもの(あなたが持っているスキル)を探さなければならないのです。
そのため、先ず自分のやりたいこと(やる気の出ること)、できることを把握する必要があり、効率的に行えるのがWill-Skill分析で、イメージは下記です。

自分の「やりたい」ことや「得意な」ことを考えてこの4象限に当てはめていくのが、就活準備におけるWill-Skill分析で、はじめの一歩となります。
先ず、あなたが仕事でやりたいことは何でしょうか?
自分で何か作りたい?
身体を動かしたい?
海外に行きたい?
そのような自分の「やりたい」を洗い出します。
ここでポイントは、「やりたい」なら何でも良いからとにかく洗い出すこと。
「これは仕事でできなさそう」など考えず、何の制約もなしに洗い出します。
そうすることで、自分の「やりたい」を最大限引き出すことができます。
もし後から見直し、やっぱり大してやりたいことでなければ消したり、似ているものがあれば同じ要素を抽出して一つにしちゃえば良いです。
一方、最初からあれこれ考えていると手が進まず無駄に時間がかかる割には、特別ピンポイントにとにかく「やりたい」が出てくることも少ないので、一つ一つの「やりたい」を考えるのに時間をかけない方が良いでしょう。
さて、自分の「やりたい」を洗い出したら、次は「できる」を洗い出します。
あなたが得意なことは何でしょうか?
人と話すこと?
数字を扱うこと?
英語?
ここでも「やりたい」を洗い出したときと同じく、特に何の制約もなしに洗い出しましょう。
「やりたい」と「できる」を洗い出したら、それぞれで出てきたもの、もしくは似ているものを見つけます。
それがあなたの武器となるもので、その武器を扱える仕事があなたに向いているものとなるはず。それを先の図の右上に書きます。
その他、やりたいけど得意じゃないものは趣味(レベル)、得意だけどやりたいわけではないものは特技に書いていきます。
参考:私が大学生の頃のWill-Skill分析
因みに参考程度ですが、大学生の頃を思い出して私も書いてみました。

上図は誌面の都合上、かなり仕事を想起しやすいものしか書いていませんが、実際に洗い出す際には、もっと雑多に書き出して、最後の方で上図のようにまとめていくイメージです。
また、やる気のあるなしや能力のあるなしは、自分の中での相対評価で振り分けます。
私の場合、特技にプログラミングとか書いていますが、別にプログラミングコンテストで優勝したことあるなどといったレベルではなく、いくつかの言語で簡単なアプリケーションを作成できるレベルです。
それでも、自分の能力の中では相対的に高い方かなと思い特技に記載しましたし、それくらいのノリで区別した方が良いと思います。
でないと、一部のズバ抜けた特技がある人を除き、何にも能力あり側に書けなくなってしまいますから…
また、やる気も能力もない無用を洗い出すのも手を抜いてはいけません。
無用に書いたのはやりたくも得意でもないことなので、真っ先に仕事の候補(関連する仕事含め)としては外すべき、となります。
例えば私の場合、接客はやる気も出ないし接客スキルもないため、避けるべき仕事となります(接客業の方、すみません)。
Will-Skill分析の各象限の優先順位
仕事にすることを検討する優先順位は、個人的には以下が良いと思っています。

優先順位1位が武器なのは言わずもがなですが、ポイントは2位が趣味となっているところです。
周りと比較してもズバ抜けている特技をお持ちの方は、その特技(能力)を存分に活かす仕事についた方が良い気がしますが、そうでない私のような凡人であれば2 趣味を優先した方が良いと考えます。
というのも言っちゃ悪いですが、基本的に学生の頃の能力の差なんて会社の中のできる人とできない人の差に比べれば大したことなく、いくらでも努力で埋め合わせられると思っています。
とすると、社会人になってから努力し続けられることが大事となってくるので、努力し続けられるであろう、やる気のあることを仕事に結びつけるのが良い、となります。
ただ一点注意していただきたいのは、社会人になってからやる気のあることについて努力すれば良い、ということではないということです。
やる気がある、ということは基本的に既にそのことについて何かしらの行動を起こしているはず。行動を起こしていないということは、大したやる気がないとも捉えられます(必ずしもそうとは言えませんが、「やる気がある!」と言っているのに何も行動していなければ、周りの人は「本当にやる気があるのだろうか?」と思うのではないでしょうか)。
そのため、Will-Skill分析で「やる気がある」に分類するのは、既にある程度行動を起こしているもの、という前提が付くことには注意ください。
(もし本当にやる気があるけどまだ何もしていないのであればとりあえず始めてみましょう。始めて見ることで「意外と好きじゃなかった」と言ったことを避けられると言ったメリットもあります)
自分の価値観分析 -5Whysで自分の価値観を深堀り-
Will-Skill分析で自分のやりたいこと・得意なことを洗い出したら、次はやりたいこと・できることを基に自分の価値観を分析します。
言い換えると、やりたいことはなぜやりたいと思っているのか?得意なことはなぜ得意なのか?を分析するということです。
コンサルタントはよく5-Whysという思考法(ツール)で、物事に対して「なぜ?なぜ?」と問い、深めていきます。
それと同様に、やりたいこと・得意なことに対して「なぜ?なぜ?」と自問することで、自分が重視している価値観を探り出します。
この価値観こそが、
例えば私は計画することに対してやる気が出ますが、これはなぜか自問して見ると
・計画することに対してやる気が出る
なぜやる気が出るのか?
→未来の不確実性を狭められるから(狭めた気になれるから)
なぜ未来の不確実性を狭められるならやる気が出るのか?
→現在の安心感を得られるから
なぜ現在の安心感を得られるならやる気が出るのか?
→過去ある体験により死の恐怖を味わい、二度とそのような恐怖を味わいたくなくいため、計画することでそのような恐怖の可能性を排除し安心したいから
となります。
これで「不確実性を避けたい」という価値観と、「死の恐怖を味わった過去の体験」という背景がわかりました。
ここでポイントは価値観が自分の経験に基づいていると言うことです。
自分の経験とはその人オリジナルのもので不変であるため、経験から形成された価値観は非常に強固なものとなります。(特に死の恐怖、のような強烈な体験に基づく価値観は、ちょっとやそっとのことじゃ変わりません)
逆に自分の経験に基づかない、他人の意見等から形成された価値観は非常に脆く、他人の意見が変われば自分の価値観も変わってしまう可能性をふんだんに孕んでいます。
そのため、面接などでもその人の価値観が、自身の経験に基づいていることを重視するのだと思います。
会社に入った後にすぐ価値観変わって、「やっぱりこの会社合わない」とか言って辞められたりしたら困るわけですからね。
その点、自分の経験に基づく価値観が会社に合う人であれば入社後も会社とズレる心配が少ないため、面接官も安心して採用できるのではないでしょうか。
まとめ
先ず最初に、就活準備は以下3ステップで行うのが良いことを最初にお伝えしました。
- 自己分析
- 仕事分析
- 就活対策
そのうちこの記事では自己分析に焦点を絞り、自分がやりたいこと(やる気の出ること-Will)とできること(Skill)を棚卸し、就活における自分の武器を見つける方法をお伝えしました。
また、やりたいことやできることから、面接でも納得感を持って言えるような、自分のブレない価値観を見つけるための方法もお伝えしました。
上記お伝えした方法で自己分析をすれば、就活で言えるような自分の志望動機(やりたいこと)や強み(できること)が見つかり、それらを補強する自分の価値観が見えてくると思います。
そのように自分というものが見えてきたら、次は職種や業界、企業などを調べ、自己分析の結果と照らし合わせて自分に合う仕事を探すステップとなります。
こちらはまた別の記事を書こうと思いますので、暫しお待ちいただけたらと思います。