先日こんな記事を読みました。
2020年には大学入試からセンター試験がなくなるんでしたね。
それと同時に導入されるのが大学入学共通テスト。
このテストでは、英語において「聞く」「読む」という今までの評価に加えて、「話す」「書く」の合計4技能で評価されるそうです。
これはいい傾向だなと思います。
やっぱり「聞く」「読む」だけでは”使える”英語が身につかない。
実際、僕や周りのTOEICの高い点数の友達を見ても、外国人を前にして話そうとするとほとんどまともに話せない事が少なくないです。
外国の友達とLINEのやり取りをする時も、辞書が手放せないという状況。
その点、「話す」「書く」の2つが評価されるとなると、必然と高校のうちにこの2つを身につけることになるので良い傾向だと思います。
現場レベルでは難しい
ただ、実際導入されるとなると現場レベルでは難しいのではないかなと思います。
まず「話す」技能については、英語のスピーキングを教えられる先生は、現状そんなにないのではないでしょうか。
実際、中学高校の頃の教師を思い出してみても、コテコテの日本語発音な上に、ネイティブスピーカーとあまり上手に会話できてなかった記憶があります。
ちなみに僕は偏差値63くらいの高校似通っていました。
これが高いか低いかは置いておいて、このレベルの高校の先生で大して話せないレベルなので、高校全体としてみたら、やはりスピーキングを教えられる先生はあまり多くないでしょう。
また、「書く」技能に関する先生の能力はわかりませんが、こちらもあまり高くないのではないでしょうか。
その根拠はこちら。
国が全国の
- 小学校 :19,679校
- 中学校 : 9,460校
- 高等学校: 3,390校(合計:4,763学科)
を対象に、英検準1級レベルがあるかどうかを調査したものです。
結果はこのようになっています。
英検準1級レベルに到達している教師は
- 高校:62%
- 中学:32%
となっています。
つまり、英検準1級レベルに到達していない教師は
- 高校:38%
- 中学:68%
もいるということになります。
ちなみに、英検準1級とはTOEIC730点レベルと言われています。
正直TOEIC730点レベルでは、英語で表現したいことを書くのは難しい。
僕の周りには730点以上の人は結構いますが、英和ならまだしも、和英は苦手な人が多いです。
そのレベルにも達していない先生がこれだけいるとなると、「書く」ことを教えるのはかなり厳しいかと…。
採点が難しい
また、「話す」「聞く」の能力は採点が難しいというのもあります。
「聞く」「読む」なら、明確な解答があります。
一方、「話す」「書く」には明確な解答がありません。
例えば、「すべきである」というのを伝えるとき、shouldかhave toの2通りがあります。
この場合はまだshouldかhave toなので、大抵の先生はわかると思うのですが、難しくなったときが問題です。
「そろそろいかないと」という表現を表す際に、普通ならI have to goが思い浮かぶと思うのですが、I have to be on my wayという表現でも表すことができます。
ここら辺になってくると、あまり英語の得意でない先生だと採点が難しいのではないでしょうか。
このように、「話す」「書く」だと色々な表現ができてしまうため、採点が非常に難しくなります。
先程の記事のように、中学高校の先生の英語力というのは平均的にそれほど高くないため、このレベルの採点となると難しいでしょう。
ただ、これもいずれは解決されると思っています。
AIの導入で解決か
その解決策が、AIの導入です。
最近はAIというのも一般的によく聞くようになったと思います。
ソフトバンクが新卒採用のESの評価にAIを導入したのも話題になりました。
このように、AIが言葉を正しく認識し評価できるようになれば、英語の「書く」「話す」の採点もできるようになるでしょう。
まあそうなると、そろそろ先生が教える意義というものも怪しくなりそうですが笑
今のところ「書く」「話す」の指導や採点は難しい
以上の理由より、英語の「話す」「書く」の技能の評価を導入するのは良い傾向だと思いますが、まだまだ現場レベルでの実現は難しいでしょう。
ただAIの進歩と共に、いずれは現場レベルでの実現もすると思います。
ただそうなると、いよいよ翻訳機能のレベルも上がり、英語の勉強自体が必要なのかどうかも怪しいですが笑