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ファイナンス初心者は、まずこの本で基礎を習得しよう | 自分価値向上研究所

ファイナンス初心者は、まずこの本で基礎を習得しよう

ファイナンスというとよくセットで会計という言葉が出てきます。

しかし、会計については基本を知っている人は多いように思えますが、ファイナンスについてはどうでしょうか。

どうも会計ほど重要性を認識して基礎を学んでいる人は少ないように思われます。

この本の著者も同じように考えており、そんなファイナンスの初学者向けに「基礎のキ」からとてもわかりやすく書かれています。

会計とファイナンスの違い

一番の違いは、会計は「利益」を扱い、ファイナンスは「キャッシュ」を扱うということです。

via:ざっくり分かるファイナンス〜経営センスを磨くための財務〜

つまり、会計は企業がいくら儲けたのかを扱い、ファイナンスは企業の現金の流れを扱うとうことです。

利益とは会計上計上されても、現金がすぐに企業に入るとは限りません。

商品とお金の流れ

企業間の取引では上の図のような商品とお金の流れになります。

ここで注意して欲しいのは、多くの企業間の取引においては代金の後払いが多いということです。

企業間の取引では掛けや手形といった形で3ヶ月後に支払うなどということがよくあります。

そのため、大抵の企業では会計上の利益と実際に企業にあるキャッシュが異なります。

これに関係してくるのが「黒字倒産」です。

黒字倒産というのは、利益は出ている(すなわち黒字である)のに、会社にキャッシュがなくて倒産に追い込まれるという、笑うに笑えぬ現象のことです。これは、会計上は売り上げが計上されているのに、キャッシュが取引先などから未回収であるときに起こります。

via:ざっくり分かるファイナンス〜経営センスを磨くための財務〜

このような事態に陥らないためにも、ファイナンスはとても重要です。

ファイナンスの役割

会計には、外部に企業の状態を報告するための財務会計と、企業が自ら役立てるための管理会計があり、財務会計は企業が株主や金融機関、税務署等へ報告するために必ず行わなければならないので、役割は比較的明確です。

一方ファイナンスは必須のものではないので、何のためにファイナンスがあるのか確認しておく必要があります。

ファイナンスの目的について、本書ではこのように書かれています。

ファイナンスとは、ひと言でいうと、「企業価値の最大化」をはかるための意思決定に役立つツール(道具)。その意思決定には、投資・資金調達・配当の三つがあります。いずれも企業の将来を見据えた上で行われるものです。

via:ざっくり分かるファイナンス〜経営センスを磨くための財務〜

つまり、企業が新しい事業の立案をした際に

  1. 投資:事業を行うかどうか
  2. 資金調達:事業のための資金をどこから調達するか
  3. 配当:事業から上がった資金をどうするか

という意思決定に役立つツールがファイナンスということです。

いずれも企業にとっての大事な意思決定であり、ファイナンスの考え方が役立ちます。

ファイナンスをどのように三つの意思決定に役立てるのか、本書では初心者にもわかりやすく書かれています。

投資家の求める期待値が大事

企業は自社の企業の価値を向上させるために様々な事業を行います。

では、いくら収益を上げれば良いのでしょうか。

様々な考え方はありますが、筆者は「投資家の期待値以上収益を上げるべき」と言っています。

投資家の期待値とは何でしょう。

銀行からの借り入れであれば利率そのものです。

株での調達の場合、株主の期待値は額面に表れる訳ではないので※CAPM理論という理論で求める必要があります。

この債権者と株主の期待値をうまく調整したものを資本コストと言い、投資家の期待値であり、企業が調達した資金の利率となります。

資本コスト=投資家の期待値=企業が調達した資金の利率

もしこの資本コスト以下の利益率しか上げられていない場合、稼いだ額の利益率より借りた資金にかかる利率の方が高いということになります。

そのような投資はできれば前もって避けたいところ。

そのため、どんな事業を行う際にもまずは資本コストを知ることが必要です。

ではどのように資本コストを求めるのでしょうか。

※CAPM理論とは、株主資本コストを求める方法です。本書で詳しく書いてあります。

WACC

WACCとは英語でWeighted Average of Capitalと言い、加重平均資本コストとも言われます。

負債コストと株主資本コストを加重平均したものをWACCと言い、投資家(債権者と株主)が「これだけの利益率を出してね」という期待を表していると言えます。

※-0.4しているのは、負債コストには節税効果があり、損金算入できるためです。

このように、債権者と株主の求める期待値を加重平均することにより、企業が資金調達するための資本コストが計算できます。

この資本コストは、本書に出てくるIRR方や企業価値の算定と言ったファイナンスの重要部分に深く関係しています。

資本コスト、WACCを理解することにより、ファイナンスの多くのツールを使いこなすことができるようになります。

ファイナンスの用語や考え方の基礎基本が身につく良書

このようにファイナンスは、事業を行う際に最適な意思決定をするための必要な非常に強力なツールとなります。

本書ではこれからファイナンスを学ぶ人にわかるように、難しい数式や専門用語は出来るだけ避けて書かれています。

そのため、ファイナンスについて「広く浅く」学ぶことができます。

この本でまずは基本的な用語や考え方、ツールを抑え、ファイナンスの勉強の最初の一歩を踏み出しましょう。