今回は戦略コンサルタントのYuが、簿記2級を独学・1ヶ月半の勉強で合格した勉強方法を紹介します。
勉強開始時の私のスペックは
- 簿記3級を持っていない
- 会計の知識も殆どない(減価償却も理解していないレベル)
という状態でした。
この状態から
1日1時間半の勉強を1ヶ月半続け、合計約66時間の勉強量
で簿記2級に合格しました。
合格点が70点のところ83点で合格。
高過ぎずギリギリ過ぎず、時間対効果で考えると丁度良い勉強量だったと思います。
この記事では、短期間で簿記2級に合格した勉強方法や使った参考書、参考書の使い方まで具体的に紹介します。
タップできる目次
Step1:
簿記2級の最新の過去問を3年分見る
先ず一番最初に簿記2級の過去問3年分の問題と答えを見ます。
もちろん、この段階では会計の知識が殆どなく、意味すら分からない用語もたくさんあると思います(現に私がそうだった)。
しかし、最初に過去問を見ることで
- ゴールを知り逆算することでこの後の勉強を効率よく進めることが出来る
- 勉強中に浮かぶ「本当にこんなの出るの?」という疑問を軽減できる
といった効果が期待できます。
特に最初にゴールを知っておく、と言うのは非常に重要です。
ゴールを知ることで、参考書を読んでいる最中に、試験に出そうな箇所・試験に出そうにない箇所がなんとなく分かるようになります。
簿記2級の範囲の中でも重要なポイントとそうでないものがあり、重要なポイントは試験に出やすいです。
過去問を最初に解いておくことで、そのような重要なポイントや定番の問題、出題形式が何となく分かるようになるため、短期間で合格を目指す場合は、ポイントを絞って効率的に参考書を読み進めるのが良いでしょう。
因みに、最初に過去問を見ると言うと
「最後の確認で過去問を使いたいのにこれじゃ意味がない」
と思うかもしれませんが安心してください。一通り勉強し終え改めて過去問を解く際には、最初の頃解いた3年分の問題など既に忘れています。
実際、私も参考書が一通り終わり過去問を改めて解いた時には、殆ど問題を覚えていませんでした…。
Step2:
簿記3級の参考書を読み、2級の参考書を読むための土台を作る
簿記2級の過去問と答えを3年分見たら、早速参考書で知識をインプットします。
ここで先ずは簿記3級の参考書を読んで最低限の知識を得ます。
「え?簿記3級の勉強もするの?いきなり簿記2級じゃないの?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、やはり簿記3級の勉強は避けて通れません。
というのも、当たり前ですが簿記2級は3級の知識がある前提で問題が作られているため、簿記2級の参考書も3級の知識がある前提で書かれています。
そのため、結局簿記2級の参考書を読むために簿記3級の知識が必要となってきます。
ただ一つポイントは、簿記3級の問題が完全に解けるようになる必要はないということ。
あくまでも、簿記2級の参考書や問題文を読むために簿記3級の参考書で最低限の知識をインプットします。
最低限の知識とは、簿記3級に出てくる用語の意味の理解程度で、問題は解く必要ありません。問題は簿記2級の参考書で解きます。
因みに、私が使った参考書はみんなが欲しかった!シリーズで、他の参考書と比較してこれが絶対にオススメです。
非常に平易に解説が書いてあり初学者に向いているのと同時に、フルカラーで頭に入ってきやすい。
フルカラーだとごちゃごちゃして見にくい本などもありますが、この参考書はそんなことなく、非常にスッキリしています。
短期間での合格を目指すのであれば、参考書はみんなが欲しかった!シリーズですね。
Step3:
簿記2級の参考書を読み、章末問題を解く
簿記3級の参考書で最低限の用語の意味を理解したら、簿記2級の勉強に入ります。
ここからは簿記3級の参考書で用語を理解しただけとは異なり、実際に章末問題も解いていきます。
使う参考書は簿記3級の参考書と同じ、みんなが欲しかった!シリーズ。
簿記3級の勉強の時は、最低限用語を覚えればよかったため全体を軽く流し読むだけでしたが、簿記2級はしっかり読み、各章の章末問題で理解を深めます。
ただ、全部を丁寧に読み進めると時間がかかるため、以下のポイントを抑えて効率的に読み進めます。
- 用語を初見で暗記しようとしない
- 一度で理解しようとしない
- 簿記2級の参考書は読むだけでなく章末問題を解いて理解を深める
一つずつ説明します。
参考書の読み方:
用語を初見で暗記しようとしない
分からない用語が出てきたら一度参考書の索引から引いて調べます。
ただ、そこで覚えようとはせず、なんとなく理解したららそのまま読み進めます。
初見で暗記しようとはしません。
参考書を読み進めていく中で重要な用語は嫌と言うほど何回も出てくるため、初見で暗記しようとせず読み進めましょう。
読み進める中でいつの間にか覚えているはずです。
参考書の読み方:
一度で理解しようとしない
何度か読んでも理解できない箇所は、とりあえず飛ばしましょう。
理解できず読み飛ばしたとしても、あなたの脳は理解できないことを放置することはせず、無意識下で理解しようとし続けます。
最初は考えても分からなかった問題が、数日後ハッと思いつく
という経験をしたことはないでしょうか?
この現象を「エウレカモーメント」と言いますが、これを活用します。
理解できず読み飛ばしても脳はずっと無意識かで理解しようとしていますので、数日後に読み返してみてください。
最初読んだ時よりも簡単に理解できるようになってるはずです。
参考書の読み方:
簿記2級の参考書は読むだけでなく章末問題を解いて理解を深める
みんなが欲しかった!シリーズの参考書の各章には章末問題がついています。
これが結構良問で、この章末問題が解けるようになれば過去問も大分解けるようになっているはず。
章末問題の活用方法ですが、先ずは各章を読み終えたら一から順に解きます。
ただ、1回解くだけでは頭に定着しないため、翌日・1週間後に復習します。
復習の方法は自分にあったやり方が良いですが、私は頭の中で解き直して復習していました。
頭の中で解く流れは
- 問題を見る
- 頭の中で答えを出す
- 答えをチェックする
- あっていたら次の問題へ、間違っていたら解説を読む(それでも分からない場合、参考書本文に戻り理解し直す)
です。
この流れでチェックを行うことにより、最低限の時間、かつ場所を選ばず全問題を復習できます。
紙に書かないで頭の中で解く理由は、
- 紙に書くのは時間がかかる
- 頭の中で解く方が紙に書くよりも頭を使う
からです。
当たり前の事ですが、紙に書いて解いていたのを頭の中で解くようにするだけで、大幅な時間短縮&理解度向上に繋がります。
Step4:
簿記2級の過去問を繰り返し解く
簿記2級の参考書を読み、章末問題がある程度解けるようになったら、後は過去問を繰り返し解くだけです。
ただ、個人的には普通に1年分ずつ解くのはあまりオススメではなく、お勧めは各年の同じ大問を通しで解くことです。
具体的には以下の手順で過去問を解きます。
- 最新の過去問の大問1つ(得意な分野1つ)を解く
- 答え合わせし、間違えたところを理解(解答だけで理解できない場合は参考書も参照する)
- 1つ前の年の同じ番号の大問を解く
- 以降繰り返し
なぜ1年ごとではなく大問ごとに解くのか?
その理由は以下です。
- 大問ごとに一気に理解を深めることができる
- 達成感を得やすい
一つずつ説明します。
大問ごとに解くメリット:
大問ごとに一気に理解を深めることができる
大問1では、毎年仕訳問題が出題されています。
この仕訳問題を続けて解くと、数年おきに似た問題が出ていることに気づきます。
すると、最初に「減価償却」の問題が解けなくとも、その3年前の大問1にも「減価償却」の似たような問題が出題されていて、今度は解けたというようなことが起こります。
このように短期間で似た問題を解くことで理解→復習のサイクルが早まり、記憶に定着しやすく、理解も深まります。
大問ごとに解くメリット:
達成感を得やすい
1年ごとに過去問を解くと、前回は大問1は解けたけど大問4は解けなかった、逆に今回は大問4は解けたけど大問1は解けなかった、というようなことが起こります。
すると、時間をかけて1年分ずつ解いた割には全体での合計点はあまり伸びず、モチベーションが下がります。
一方、大問ごとに解けば、大問1が1年分で大凡15分、10年分解いても150分しかかかりません。
頑張れば一日で10年分の大問1を解き終えることができる上、後半はだんだん解けるようになりモチベーションが上がります。
よって、個人的に過去問は1年ずつ解くのではなく、大問ごとに解くのがオススメとなります。
まとめ
簿記3級を取らずにいきなり簿記2級、一見無謀にも思えますが、今回ご紹介したステップを踏むことで、短期間で合格できるのではないかと思います。
今回ご紹介した勉強方法は、実際に私が1ヶ月半、約66時間の勉強時間で簿記2級に合格した際に使用した方法です。
そしてこの勉強方法に向いている参考書が、みんなが欲しかった!シリーズ。
短期間での合格を目指す上では、効率よく勉強内容を頭に入れる必要がありますが、みんなが欲しかった!シリーズはフルカラーの図がふんだんに使われているため、勉強した内容が記憶に残りやすいのでオススメです。
最後に、この記事があなたの合格の一助になれば幸いです。勉強頑張ってください。