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「MECE」例題で学ぶロジカルシンキング・トレーニング | 自分価値向上研究所

「MECE」例題で学ぶロジカルシンキング・トレーニング

今回のロジカルシンキング・トレーニングの題材は「MECE」

「MECE」とは「モレなくダブりなく」と言う意味で、コンサルタントがよくロジックツリーとセットで使ったりする考え方です。

例えば、あなたは新しい本を買おうとしています。そこでまずどこで買おうか考えます。「蔦屋書店で買おうか、それともネットで買おうか…」「新宿で買おうか、渋谷で買おうか、ルミネで買おうかな…」

いえちょっと待ってください。蔦屋書店かネットって、ブックオフなどの古本屋さんとかもありますよ。新宿・渋谷・ルミネって、新宿・渋谷にルミネありますよ。

と言うように、なんとなく考えているだけだと、思考の「モレやダブり」が発生します。この様な「モレやダブり」は日常生活だとさして問題にならないかもしれませんが、ビジネスにおいては致命的です。この「モレやダブり」を避けるために身につけるのがMECEと言う考え方。

このあと説明しますが、MECEと言う考え方をマスターすると「モレやダブり」を避けることができる様になるわけですが、それはビジネスにおいて「的外れ」や「非効率」を避けることができる様になることと同義なのです。つまり、何か施策を打つと言う際に、高確率で良い施策を打てる様になるわけです。

今回はそのコンサルタントに欠かせない考え方「MECE」について、図や例題を用いながら解説します。あなたも図や例題を参考に、MECEの考え方を身につけてください。

MECEとは(モレなくダブりなくの説明)

まずMECEとは何なのか?
MECEとは英語のMutually Exclusive and Collectively Exhaustiveの頭文字を取ってできた言葉です。つまりMECEとは、「モレなくダブりなく」という考え方の事。何か物事を分類する時に役立つ考え方です。

ちなみに、発音は「ミースィー」「ミーシー」と発音します。僕が最初覚えた時、「ミッシー」と覚えてしまって、就活のグループディスカッションの時に「ミッシーに切って…」と言ったら、コンサルタントの方から「ミーシーね」と言われ恥ずかしかったので、間違えない様にしてください笑

このモレなしダブりなしというのを例を使って説明します。

モレなしダブりなし

まず、MECEの考え方、漏れなく考え方とはどういう状態なのか。簡単に図にしました。

これは人間を男性と女性に分けた状態です。ありとあらゆる人間はもちろん、男性か女性であり(モレなく)、また男性と女性同時に成り立つことはない(ダブりなく)ので、完全にMECEになっています。これがモレなくダブりなくです。この状態をコンサルタントをはじめとするビジネスパーソンは「ミーシーである」と言います。

今回の例では人間を男女2つに分けただけなので、MECEに分けるのはとても簡単でしたが、分け方によってはMECEにするのは難しくなります。

次にモレありダブりなしとはどんな状態なのか見ていきます。

モレありダブりなし

モレありダブりなしとは下図のような状態を指します。

これは人を「学生」「会社員」「専業主婦」に分けた状態です。「生徒」や「フリーランス」などモレはありますが、「学生」「会社員」「専業主婦」は同時には成り立たないのでダブりはありませんね。

モレがある場合というのは、得てして分けづらい切り口で切っている場合が多いです。切った分類が多すぎたり、切り口が曖昧であったりと。

どういうことかというと、例えば、切り口が「10代未満」「10代」「20代」・・・「90代」「100歳以上」と分ければ、明確に人を分類することができます。この「〜代」というのはかなり具体的であり、数も「10代未満」〜「100歳以上」まで11つしかないので、かなりMECEに分けやすいです。

また、例えば「職種」で分けると、「営業職」「企画職」「開発職」などなど、非常に数が多い上に、やはりこちらも「じゃあ企画開発職は?」みたいになるので、MECEに分けづらい。

故に、体的かつ分類数が少ない方がMECEに分けやすいです。ただもちろん、マーケティングなどの場合は、あまりに明確な切り口を使っても有効でない場合がありますから、必要に応じて明確な切り口と抽象的な切り口を使い分ける必要があります。

では次はモレなしダブりありを見て見ます。

モレなしダブりあり

モレなしダブりありとは下図のような状態を指します。

人間生まれた時はもちろん0歳なので、「0歳〜10代」「20代〜30代」「40代以上」で全ての人をどちらかに分類することができます。つまりモレはないです。

しかし、「学生」に関しては、19歳の学生も22歳の学生もいるので「0歳〜10代」「20代〜30代」どちらにも学生はいます。つまりダブりありです。

ここで鋭い人は気づいたかもしれませんが、モレなしダブりありという時は、大抵次元が揃っていません。次元についてはこちらの記事に詳しく書いていますので、ここでは簡単に説明します。

「演繹法と帰納法徹底解説」例題で学ぶロジカルシンキング・トレーニング

次元とは”レベル感”の事です。
例えば、「いちご、メロン、みかん」。この3つの括りは”レベル感が等しい”です。同じ果物なので。でも、「東京、アメリカ、フランス」はおかしい。東京は都市なのに、アメリカ・フランスは国なので。これを”レベル感が違う”と言います。

このレベル感=次元が揃っていないと、ダブりが発生しやすくなりますので、MECEにするには次元を揃えることが大切です。

最後に、モレありダブりありを見ていきます。

モレありダブりあり

モレありダブりありとは下図のような状態を指します。

「学生」の中に「アルバイト」をしている人はいますし、「主婦」の中にも「アルバイトをしている人はいます。つまりダブりあり。それに、職業で分類しているので、「会社員」や「自営業」と言ったものが抜けています。つまりモレありです。

モレなしダブりなしにするには、切り口を統一し(次元を揃える)、要素を適当な順序に並べる事も重要になってきます。要素を適当な順序に並べるというのはこちらの記事で解説していますので、ここでは簡単に説明します。

「ロジックツリー:要素の順序」例題で学ぶロジカルシンキング・トレーニング

例えば、簡単な例で言えば小学校の頃の背の順です。小さい子が前に、大きい子が後ろに並ぶあれです。あの様に、一つの基準”身長”という基準に並べる事で、誰がいないかというのを簡単に把握できる様になっています。

何かをMECEに分けるときも同じ様に、何か一つの基準に沿って要素を並べると、モレなくダブりなくわけやすくなります。

MECEがなぜ重要なのか(いつ使うのか、何に使うのか)

長々と「MECEとはなんぞや?」というところを説明しましたが、なぜこの考え方が大事なのでしょうか。

モレがあるとどうなるか。モレがあると「的外れ」が発生しやすくなります。

例えば自社の製品をもっと売りたいと言った時に、ある人は「値段を下げてもっとたくさん売るべきだ!」と言う。ある人は「いや、もっと沢山の地域で売るべきだ!」と言う。それで言い争ったりするわけですが、これでは非効率な会議となってしまいます。なぜなら、「製品を改良する」「広告をうつ」と言った視点が抜けている、つまり「モレている」からです。「値段」「場所」「製品」「広告」これら全てを考えた上で手を打たないと的外れとなりかねません。今回の場合、もし「広告を打つ」ことが最も効果があるとしたらどうでしょうか。「値段」と「場所」のどちらの施策を打つにせよ、的外れとなってしまいます。この様に、「モレ」があると「的外れ」が発生しやすくなります。

ではダブりがあるとどうなるか。ダブりがあると「非効率」が発生しやすくなります。

例えばある医療機器メーカーの営業担当にAさん、Bさん、Cさんと言う人がいたとします。新しい機器を売るために販売地域を分担することになります。そこでAさんは「個人医院・クリニック」、Bさんは「一般病院・大学病院」、Cさんは「公立病院」を担当することになりました。ただこれは非常に「非効率」です。なぜなら、一般病院・大学病院の中に公立病院があるわけです。つまり、BさんとCさんの担当地域に「ダブり」が発生しています。この様に、「ダブり」があると「非効率」が発生しやすくなります。

以上の観点から、「モレ」や「ダブり」があると言うのは、ビジネス上好ましくない状態なわけです。MECEを意識して使いこなすことで、これらのモレやダブりを減らすことができるので、非常に重要な考え方となります。

では、例題を解いてMECEを身につけていきましょう。

例題

「日本」をMECEに分解してください。

切り口はあなたが考えて良いです。

解答とポイント1:目的に応じて切り口を使い分ける

ベーシックなもののひとつに「地方」で切る方法があります。

これなら「モレなくダブりなく」でMECEですね。もちろん、あなたが「県」で分けてもそれは一つの正解です。

ただ、この切り口はビジネスの場合、なんでもいいと言うわけではありません。切り口は目的に応じて使い分ける必要があります。

例えば、あるコンビニの店舗マーケティングの際、どの県や地域にどれくらいの店舗を出店するか検討するとします。その場合、人口に応じて出店する店舗数を変えたほうが良さそうなので、人口の多い県(地域)で日本を分類すると良さそうです。

この様に分類すれば、人口に応じて出店店舗数を増やしたり調整できるので、有効な切り口となりそうです。

もちろん、今回のこの例はとても簡単な例ですが、目的に応じて切り口を使い分けましょう。MECEであることはとても大切ですが、なんでもかんでもとりあえずMECEに切ればいいと言うわけではない事を忘れない様にしてください。

ポイントまとめ

以上、MECEとは?と言う基礎的なところから、MECEはどうやって使うのかまで、例題を交えて説明しました。

その上でポイントをまとめておくと、MECEと言う概念を使うメリット

  • 「モレ」をなくす事で、「的外れ」を避けることができる
  • 「ダブり」をなくす事で、「非効率」を避けることができる

以上2点であり、MECEを使う上でのポイント

  • MECEに分解するのが目的なわけではなく、あくまで何かを考える際の手段であることを忘れない

でした。

MECEを使いこなせる様になると、上記メリットである「的外れ」「非効率」を避けることができる様になるので、ビジネスにおいて、非常に有効な施策を高確率で打てる様になります。

そのほか、人に説明するときにも、MECEを意識すると、非常にロジカルに聞こえるので、ぜひ普段からMECEを意識して物事を考えてみてください。

ちなみに、ビジネスのツールとして、MECEとセットで語られるのが「ロジックツリー」MECEとロジックツリーを身につけると、ビジネスにおいてとても大きな武器となります。セットで身につけてみてください。

「ロジックツリー徹底解説」例題で学ぶロジカルシンキング