就活の時に、自分の行きたい企業は大体どれくらいの学歴の人が勤めているのか、っていうのは結構気になるところですよね。
かくいう僕も、就活生の時は「明治大学でも入れるのか?足切りされないか?」と心配してたものです。
まあ実際は気にしたところで、入りたい企業だったら受けるし、そうでなかったら受けないだけなのですが、やはり気になるものは気になる。
それに、入社したい企業はどんな大学の人がボリューム層か”わかる”だけで、ある程度気持ちは楽になるもの。
先日東洋経済オンラインで「入社するのが難しい有名企業」トップ200社という記事を見つけたので、今回はこの記事にある「入社難易度表」を分析し、どの企業にはどれくらいの学歴の人が多いのかを見ていきたいと思います。
「入社するのが難しい有名企業」トップ200社
記事には200社あるのですが、全て引用すると長くなってしまうので49位まで、計50社を引用しました。
左の数字が入社偏差値です。
65.0 集英社
64.8 三菱地所
64.6 講談社
64.4 富士フイルム
64.2 三菱商事
64.1 日本経済新聞社
64.0 伊藤忠商事
64.0 三井不動産
63.9 電通
63.9 住友商事
63.5 丸紅
63.5 日本郵船
63.3 日東紡
63.3 テレビ東京
63.3 国際石油開発帝石
63.2 JXTGエネルギー
63.2 朝日新聞社
63.2 三井物産
63.1 テレビ朝日
63.1 TBSテレビ
63.1 住友ベークライト
63.0 東宝
62.9 旭硝子
62.4 日清食品
62.4 東急不動産
62.4 商船三井
62.4 東レ
62.3 大阪ガス
62.3 日本IBM
62.3 P&G(プロクターアンドギャンブル)
62.3 日本テレビ放送網
62.3 NTT(持ち株会社)
62.2 東京建物
62.1 三菱重工業
62.1 NHK
62.1 共同通信社
62.1 博報堂/博報堂DYメディアパートナーズ
62.0 小学館
62.0 味の素
62.0 ソニー
62.0 昭和電工
62.0 JT
62.0 住友化学
61.9 昭和シェル石油
61.9 ブリヂストン
61.8 江崎グリコ
61.8 野村総合研究所(グループ)
61.8 読売新聞社
61.7 川崎汽船
61.7 アクセンチュア※入社難易度の偏差値を大学レベルに変換
この後に150社続きます。
この表では、最も※入社難易度が高いのは集英社で偏差値65.0、次いで三菱商事、講談社と名だたる企業が続いています。
こう見てみると
- 出版社(トップ3のうちなんと2社)
- 総合商社(全総合商社上位にランクイン、流石の人気)
- 不動産(ディベロッパーはやはり高学歴が多いか)
- マスコミ(まあ、そうですよね)
- 広告(電博はやっぱり人気、美人な人が多いとか)
- 新聞社(なるほど)
あたりがやはり高学歴の学生に人気のようです。
まあ大体予想通りかと。
この表には少数精鋭の企業(10人以上の就職者が判明していない企業)は入ってません。マッキンゼーのような戦コンや、ゴールドマンサックスのような外銀が入っていないのはそういう理由です。(まあ大抵の人は無縁なので表に入れない方が見やすいかと)
さて、大体どういう企業が入社難易度が高いか見たところで、そもそも入社難易度とはなんぞや?というところを掘り下げていきます。
※難易度が高いという表現は厳密には間違っています。
正しくは”難度”が高いです。
難易度というのは難易の度合いどいう意味で、表現としては難易度:難、のような表記が正しいです。
ただ今回は記事中で難易度が高いというように使われているので、便宜上難易度が高い、低いと書きます。
入社難易度の算出方法
この記事の難易度は以下の式で算出されているようです。
今年の各大学・学部の入試の難易度平均(医学部と歯学部は除く)を、各大学の難易度とする。仮にA社の就職者の内訳が、東京大学5人、慶應義塾大学3人、上智大学3人だったとする。東京大学の学部平均難易度は69.8で、全大学でもっとも高い値だ。慶應義塾大学は65.1、上智大学は63.0になる。
これらの数字を使って、A社の平均入社難易度を求めてみよう。
(東京大学69.8×5人+慶應義塾大学65.1×3人+上智大学63.0×3人)÷(5人+3人+3人)=66.6666になる。小数点第2位を四捨五入すると、A社の入社難易度は66.7だ。
簡単に要約すると、入社した人の出身大学の偏差値の加重平均をとっている、ということになります。
ちなみに、偏差値は駿台の模試の偏差値を用いているようです。(医・医療系学部を除いた学部の平均)
なるほど、確かにこの方法で企業の偏差値を算出すれば、入社するのが難しい企業がわかりそうです…。
本当にそうでしょうか?
入社難易度の定義は難しい
偏差値の高い大学の割合が高い≠入社難易度が高いと僕は考えます。
どういうことかというと、上記の式で求めた偏差値の高い企業というのは、あくまでも高学歴の学生の割合が高いだけであり、それ以上でもそれ以下でもないということです。
例えば、A社とB社があったとします。
どちらも同じ偏差値63の企業であり、A社は採用人数が100人、一方B社は採用人数が1,000人だとします。
偏差値63と上智大学の偏差値であるので、簡単の為A社もB社も入社した人が全員上智大学生としましょう。(全員偏差値63の上智大学生なので、もちろん上記の式で計算すればA社もB社も偏差値63の企業ということになる)
つまり、A社には上智大学生100人入社して、B社には上智大学生1,000人が入社したわけです。
どう考えてもB社の方が入社するのは簡単に思えますが、上記の式だと同じ偏差値63になってしまい、入社難易度は同じになります。
このように、上記の式だと人数が考慮されないので、上記の式で算出された入社難易度を入社するのが難しい企業の指標にするには、やや無理があるのではないかと言うのが僕の考えです。
まあこの点については留意してもらった上で、もう少し入社難易度について見ていこうと思います。
入社難易度に大学の偏差値を当てはめてみた
他の上位校の偏差値を調べて見ようと思ったのですが、駿台の偏差値表は高校生じゃないと見れませんでした(登録できない)。
そこで、記事に載っている大学の偏差値から他の上位校の偏差値を推定して見ました。
記事に載っているのは
- 東京大学:69.8
- 国際教養大学:67.7
- 国際基督教大学:66.0
- 一橋大学:66.5
- 京都大学:66.3
- 慶應義塾大学:65.1
- 早稲田大学65.1
- 上智大学:63.0
です。
偏差値65以上の大学は上記の大学だけどのこと。(上智除く)
東工大が入っていないのは、理系の偏差値が全体的に文系より低いからでしょうか。(レベル的には一橋大学に匹敵すると思われるので、ここら辺も合わせて欲しいところですね)
また、偏差値が58.6以上の大学が32校と記事中に書いてあるので、ちょっと思いつく限り、偏差値の高そうな順に残り24校(国立私立分けて)並べて見ました。
国立
- 東京工業大学
- お茶の水女子大学
- 大阪大学
- 名古屋大学
- 東北大学
- 九州大学
- 神戸大学
- 筑波大学
- 北海道大学
- 千葉大学
- 横浜国立大学
- 首都大学東京
- 東京学芸大学
- 計13校
私立
- 同志社大学
- 東京理科大学
- 明治大学
- 立教大学
- 中央大学
- 立命館大学
- 青山学院大学
- 学習院大学
- 関西大学
- 法政大学
- 関西学院大学
- 計11校
これで元々記事に載っていた8校+国立13校+私立11校で、合計32校になりました。
かなり主観的(一応偏差値サイトを参考にしましたが)に表を作ったので、本当に軽い参考レベルですが。
で、これらの大学をある程度一括りにして、大学群としてレベルを予想するとこうなりました。
まとめて見て、やっぱり同じ大学でも学部によってかなり偏差値が異なるので、一緒くたにするのは無理があるなと思ったのですが、Benesseの偏差値データと感覚値で調整しました。
偏差値61.7未満の企業、つまり50位〜200位の企業は記事本文にあるので、上の表と照らし合わせて、だいたいこれくらいの大学の人がこの企業に行くのかと参考にして見てください。
表は参考程度に
今回、記事にある偏差値を元に、どの企業にどのランクの大学の学生がいるのか分析しました。
ただ、常に記事を見てもらった人はわかると思うんですが、正直入社難易度を偏差値として表すのは難しいですし、1大学を1つの偏差値で表すのは、学部毎に偏差値が異なるので無理があります。
それを踏まえた上で、あくまでもこの企業にはこれくらいの層の学生がいるんだなーと参考程度になればいいかなと。
ただ同じ偏差値60でも、募集人数が100人なのか1,000人なのかで、入社の難しさは大きく変わりますし、満遍ない学歴の人がいるのか、それとも特定の層ばかりいるのかでも入社の難しさは変わってきますので、多面的に表をみるようにすると、より正確な入社難易度を導けるでしょう。
表に騙されないという意味で、こちらの記事も読んでおくとリテラシー高まるかもしれません
コメント
検証ありがとうございました